成果を上げるチームの条件 / Google re:Work -「効果的なチームとは何か」を知る を読んだ
最近、チームの成果の最大化を職務として請け負うようになった。そこでどのようなチームが高い成果を上げるのか知るため、Googleが公開している組織の働き方についての研究結果をまとめた記事、re:Work を読んだ。
re:Workでは、高い成果を上げるチームの条件を突き止める過程も含めて述べられており若干複雑である。そこで本記事では、チームに対する評価とチームが上げる成果を測るための指標を紹介し、その指標を最大化するチームの条件について端的にまとめる。
各条件の詳細な解説については別記事にまとめる。
チームを定義する
まずチームとは何かを定義する。
チームとは目的を達成するため、相互に強く依存して下記を行うメンバーの集合である。
- 作業内容の計画
- 問題の解決
- 意思決定
- 進捗状況の確認
チームのメンバーは作業を行うために互いを必要とする。
成果を定義する
次に成果を定義する。
エンジニアの成果を測ることを考える。考えられる指標としてはコード行数や、消化したissueの数などが考えられるが、これは非本質的。
例えばコード行数が多いチームではコピペが横行しているだけかもしれないし、消化したissueが多いチームはただバグが多かっただけかもしれない。
そこで、定量的、定性的の2面からチームの成果を測る。
定量的な指標としてプロダクトの売上を、定性的な指標としては、マネージャー、チームリーダー、チームメンバーからのチームの評価を用いる。
これらの指標が高いチームを成果を上げているチームと定義する。
また、マネージャ、チームリーダー、チームメンバーからのチームの評価として、各立場の人物が重視しているチームの成果を測る指標は下記の通りだった。
- マネージャー .. 売上高やサービスの立ち上げ
- チームメンバー .. チーム内の文化や風土
- チームリーダー .. 当事者意識やビジョン、個人の目標など
成果を上げるチームの条件
成果を上げるチームの条件は 5 つある。重要な順に条件を列挙すると下図のようになる。
5 つの条件を満たしている場合、下記のようになる。
- 心理的安全性
- 「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と思える状態が、心理的安全性が確保されている状態
- 互いにアイデアを披露しやすく、フィードバックを与えやすく、チーム全体で学びを得やすい
- 相互信頼
- 「チームメンバーは、一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思えるか
- 相互に信頼があり、メンバーは期限内に質の高いアウトプットを出す。無いと責任を転嫁するようになる
- 構造と明確さ
- 職務上で要求されていることと、その要求を満たすためのプロセス、各メンバーがもたらす成果について、互いに理解していること
- 各自が負っている責任と達成するためのプロセスが明確になっており、成果が出やすい
- Googleはこの達成のためにOKRを使っている
- 仕事の意味
- チームや組織のために行っている仕事は自分にとっても意味があると思えるか
- 本人が進んでチームに貢献したいと思える状態のため、パフォーマンスが出やすい
- インパクト
- 組織の目標に対する自分の仕事のインパクトが感じられるか
- 自分が取り組んでいる仕事がバリューを発揮できていると自身が認識できており、パフォーマンスが出やすい
チームの状態を把握する
re:Workでは、チームが上記 5 つの条件を満たしているか調べるためのディスカッションの題材も公開されている。
チームの状態を改善する
チームが条件を満たしていなかった場合の改善方法も紹介されている。
- 心理的安全性
- 心理的安全性を確保するためのアイデアや意見をチームに求める
- 心理的安全性についてのエイミー エドモンソンの TED x Talks を観る
まとめ
- 成果を上げるチームは、下記 5 つの条件を満たしている
- 心理的安全性
- 相互信頼
- 構造と明確さ
- 仕事の意味
- インパクト
- 5 つの条件を満たしているか調べるためのディスカッションの題材も公開されている
- チームが条件を満たしていなかった場合には、チームの構造を明文化して明確にしたり、満たしていなかった条件についてディスカッションし、チームで理解を深めるといい
- この結果は多くの研究やGoogleでの調査に基づいており、著者の今までの経験にも反しない。そのため、今後は本記事で紹介した 5 つの条件を満たすチームの文化づくりを推奨していこうと考えている